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オデュッセイアは、イーリアスとともに
詩人ホメーロスの作として伝承された
古代ギリシアの長編叙事詩。
『イーリアス』の続編作品にあたり、
そのため叙事詩環の一つに数えられることもある。
長編叙事詩では、古代ギリシア文学最古期にあたる。
イタケーの王である英雄オデュッセウスが
トロイア戦争の勝利の後に凱旋する途中に起きた、
10年間にもおよぶ漂泊が語られ、
オデュッセウスの息子テーレマコスが
父を探す探索の旅も展開される。
不在中に妃のペーネロペーに
求婚した男たちに対する報復なども語られる。
紀元前8世紀頃に吟遊詩人が
吟唱する作品として成立し、
その作者はホメーロスと伝承されるが、
紀元前6世紀頃から文字に書かれるようになり、
現在の24巻からなる叙事詩に編集された。
この文字化の事業は、
伝承ではアテーナイのペリクレースに帰せられる。
古代ギリシアにおいては、
ギリシア神話と同様にオデュッセイアと
イーリアスは、教養ある市民が
必ず知っているべき知識のひとつとされた。
なおイーリアスとオデュッセイアが
同一の作者によるものか否かは
長年の議論があるところであり、
一部の研究者によって
後者は前者よりも遅く成立し、
かつそれぞれの編纂者が異なるとの
想定がなされている。